
【これがコーヒーのリアル】エチオピアのコーヒー農家に会ってきた!
こんにちは、しおりです(^ ^)
今回は私の大好きなエチオピアコーヒーについて!
私が旅を始めた目的は「世界中のコーヒーの実情自分で見て、知る事」でした。
そして大きな目的地の一つだったのがエチオピアです。
エチオピアのコーヒーのリアルな事情を目の当たりにしてきました。
目次
エチオピアのコーヒーについて
エチオピアはコーヒーファーストプレイスと呼ばれる、コーヒー発祥の地とされている場所です。
標高2500m超級の山々が連なるエチオピア、寒暖差が大きくコーヒーの生産に最適な気候なんです。
農業が主要産業のエチオピアで、最も重要で最大の生産物がコーヒー。
市場でも、小さい商店でも、田舎の商店にもコーヒーはどこにでも売っています。
エチオピアコーヒーの生産地
エチオピアはどこに行ってもとにかくコーヒーの木がある!
その辺の道端にもコーヒーの木が自生しているし、畑の横にも、雑木林の中にも、野生のコーヒーの木が生えている。
まさに、ワイルドコーヒー・パラダイス☆笑
そんなエチオピアでも指折りの産地はここ!
カッファ
コーヒーcoffeeの語源となったのがこの地の名前、カッファと言われています。
エチオピア南西部・カッファ地方に広がるアビシニア高原(エチオピア高原)はコーヒーの原産地とされて、
今でも多くのコーヒーを生産しています。
コーヒー豆の生産者を100%どこの誰が栽培したのか特定できる産地であり、
また、豆の粒が揃っていて品質に定評があります。
イルガチェフェ
エチオピア南部のシダモ地方にあるイルガチェフェ地区。
シダモで収穫されるコーヒー豆のうち、特にイルガチェフェで収穫されるものは品質が高く風味豊か、フルーティーで華やかな香りがとてつもなく素晴らしい!
近年最も注目され人気のあるコーヒーです。
エチオピアのコーヒーは一般的にはナチュラルプロセスという乾燥式で豆を精製しますが、ここイルガチェフェではウォッシュトプロセスという水洗式で豆を精製します。
そして、欠品豆が非常に少ない最高等級の豆『G1』がイルガチェフェとして出荷されます。
ハラー
エチオピア東部に位置するハラー地方。
以前は、エチオピア最高のコーヒー生産地とされていました。
特徴は大粒のロングベリー豆。
現在もこのロングベリーは高級品とされていて、その中でもさらに選別された大粒のものは『エチオピア ハラー ボールドグレイン』と呼ばれる最高級豆として扱われています。
実際にコーヒー産地を見てきた!
どうしても見たかった、エチオピアのコーヒー。
しかし、私が行ったのは8月末〜9月半ばにかけて。
この時期はコーヒーの収穫期とは大きくかけ離れた時期。。
残念ながらピッキングの様子は見れなかった…
ですが、
名前もないような小さな村でたまたま出会った青年がエチオピアのコーヒーの農家の生活を教えてくれ、村の様子を少し見せてくれました^^
コーヒー農家の生活
エチオピアではそこかしこにコーヒーの木が自生しています。
そして、コーヒーを生業としている農民は自らの家の裏や近所にコーヒーの木を植え栽培しています。
エチオピアのコーヒー農家はほとんどが小規模。
とてもじゃないけど農園と呼べる規模のものではありません。
どちらかと言うと、周辺の森や雑木林と一体化したような、雑な畑のような感じ。
また、自然に生えている道端のコーヒーの木から
おばちゃんがフツーに来て勝手にコーヒーチェリーを摘むのもよくあるらしい。
ワイルド!!笑
木で作った鍬で農地を耕し、木を育て、ハンドピッキングでコーヒーの実・コーヒーチェリーをひとつひとつ摘み取ります。
コーヒーチェリー1kgあたりの取引価格はだいたい0.5〜1ドル(市場価格は変動する)。
コーヒの木は成長するまで4年かかるとされ、さらに充分な量のコーヒーチェリーが収穫できるようになるにはプラス1年。
コーヒーを出荷できるようになるまではトータルで5年かかります。
コーヒーは手間も年月もかかる割に取引価格が安い。
実際、コーヒー農家の生活は豊かとは言えません。
彼らが住んでいる家は童話「三匹のこぶた」に出てくるような木で作った家。
雨が降れば雨漏りは当然、嵐がきたらすぐに崩れてしまいそう。。。
そこで、コーヒー農家の中には、もともとあったコーヒーの木を切り、
農地の一部でチャットという葉っぱ(中毒性のあるタバコとか麻薬みたいな植物。エチオピアでは違法ではない)を栽培する人も増えています。
チャットは簡単に育ち、収穫は年に2回。
しかも取引価格は10枝(20gほど)で40ブル〜50ブル(1.5USD)
と、コーヒーより遥かに高価です。
ちなみに、
エチオピアは基本的に大家族。
特に田舎へ行けば行くほど子供の数が多く、1家族5〜7人の子供が平均と話していました。
子供1人を学校に行かせ、3食のご飯と清潔な水を飲む最低限の生活をするのに10ブル(約35円/月)必要だとされています。
先祖代々引き継いだコーヒーの一部を犠牲にしてでも、生活のためにチャットを栽培する農家は決して少なくないのです。
コーヒー加工工場の従事者の生活
収穫され、精製所で殻付きの状態にまで精製したコーヒーは、東ハラール地区などエチオピア各地にあるコーヒー豆の加工・輸出準備を行う工場へ運ばれます。
首都のアディスアベバには「アディス・ケテマステーション」というコーヒーの協同組合と、エチオピアで最も大規模な工場があり、
エチオピア国中からコーヒー豆が集まります。
機械で大まかに仕分けられた生豆は、最終的に人の手によって選別されていきます。
巨大な長テーブルに山のように積まれたコーヒー豆を一つ一つ選別するのは、全員、女性。
ピーク時は300〜400人以上は働いているそうです。
彼女たちは朝から晩まで、ほぼ休みなしでコーヒー豆を選別していきます。
肩もこる、目も疲れる、ただただ選別し続けるだけの仕事。
1日8時間働いて日給は4.5ブル。
(1エチオピアブルETB = 約3.5円)
エチオピアコーヒーの流通のしくみ
エチオピアのコーヒーが世界に流通するまでのプロセスは、実に多いのです。
一般的なコーヒー流通のルートはこんな感じ☟
1.農家がコーヒーを栽培・収穫する
↓
2.精製業者がコーヒーチェリーを精製し、生豆の状態にする
↓
3.エチオピア国内にある加工工場で輸出用に製品化される
↓
4.海外のバイヤーに売る
↓
5.ロースター(焙煎所)に売る
↓
6.カフェ・店舗でコーヒーとして販売される
こう見ても分かる通り、仲介がとにかく多い!
そして、仲介が多くなればなるほど当然ながら供給価格は高くなります。
そこから生産者に還元される金額はごく僅か。

ちなみに、エチオピアの農家の人に
『ヨーロッパとか日本でコーヒー1杯いくらで飲めると思う?』
と聞いてみたところ、
『日本は金持ちの国だから1杯80円ぐらい?』という答えが。
・・・
『スタバが1杯290円、安いコンビニコーヒーでも100円。
一般的なカフェのコーヒーは500円ぐらいするよ』
と言うと、彼らは信じられないというような表情になっていました。
しかし、ここ数年、サードウェーブ系コーヒーの登場によって、このコーヒーの流れが変わってきました。
『スペシャルティーコーヒー』の考え方です!
生産国においての栽培管理・品質管理・輸出から輸入・消費者の手元にわたるまで、コーヒー産業を支えるという考えです。
一般的に大量に流通しているコーヒーは需要と供給・世界経済などによって価格が変動しますが、
スペシャルティコーヒーの場合は品質に対して適切な価格で取引を行います。
つまり、適切な価格で取引され、消費者から生産者に還元される仕組み。
将来に向かって永続可能な生産システムを構築するサステナブルの考え方がスペシャルティーコーヒーです。
もちろん、コーヒーの風味や香り・酸味・甘み・舌触り・バランスの厳しい基準もあるので、味もお墨付き♡
これからもエチオピアのコーヒーを飲みたい。
だからこそ、エチオピアのコーヒー農家の生活が少しでも豊になること、
少しでもコーヒー農家の暮らしに還元できるコーヒーを飲もうと思います^^